住宅は、購入したら終わり、ではありません。
長持ちさせるには、あちこち定期的にメンテナンスしてあげることが大切で、外壁や屋根の塗り替えもそのひとつです。
外壁や屋根を塗装する目的
屋根や外壁は、年間を通して風雨や紫外線にさらされています。
雨水や湿気、紫外線から建材を守ってくれているのが、塗装なのです。
屋根や外壁を塗装すると、そこに塗膜が張られることになり、それがバリアになって水分や紫外線、砂ぼこりや花粉、排気ガスなどの汚れから建材を守ってくれているのです。
しかし、塗膜のバリアは、年月を経るごとに弱まってしまいます。
原因は、雨水や湿気などの水分や紫外線で、少しずつですが塗装にダメージを与えていきます。
塗膜にはやがて気泡のような小さな穴がたくさんできたり、ヒビ割れてくることも。
塗装に傷みや色褪せ、そしてはがれまで見られるようになったら、そろそろ塗り替えを意識したほうがよいでしょう。
最近の塗料には様々なものがあり、機能や効果で選ぶのもおすすめです。
紫外線や雨、塩害に強いもの。
大気汚染物質や排気ガスなどの汚れがつきにくいもの。
カビや藻が発生しいタイプ。
防音や遮熱効果があるものも販売されています。
塗料はもう、単純に色が美しく映えるというだけではなく、日々目覚ましく進化し続けています。
塗料の耐用年数
塗料の耐用年数も様々で、これは成分によって決まります。
主に6つに分類できるのですが、耐用年数が短い順にご紹介すると…
アクリル樹脂塗料なら5年ほど。
ウレタン樹脂塗料なら7年くらい。
シリコン樹脂塗料は約10年。
ラジカル制御塗料は約13年。
フッ素樹脂塗料は15年ほど。
さらに無機塗料なら20年くらいもつ、とされています。
やはり、耐用年数が長いものほど価格が高くなる傾向があるのですが、安くて対応年数が短いものにもよい点はあります。
たとえばアクリル塗料は、透明度が高く色が鮮やか。
ただ、水分を通しやすい性質から、外装塗装より内装や塀に使われることが多いです。
次に耐用年数が短いウレタン塗料は、光沢の持続性が優れている点が評価されています。
業者によっては、雨どいや雨戸など、美観を重視するところにウレタン塗料を選ぶところが多いようです。
もっとも人気が高いのは、シリコン塗料。
価格と耐用年数とのバランスがよい点が評価されているだけでなく、耐候性や耐汚性も高く、ツヤが長持ちする特性も人気がある理由でしょう。
ただ、シリコン樹脂塗料には、水性や油性、1液型、2液型など種類がたくさんあるうえ、耐用年数はシリコン樹脂の含有量に左右されるため注意が必要です。
さて、高価格帯についても少し見てみましょう。
フッ素樹脂塗料は耐候性、耐寒性、低摩擦性、不燃性などに優れ、耐用年数は20年と試算するメーカーもあります。
しかし、価格も高いので、一般住宅にはあまり普及していません。
耐用年数がもっとも長い無機塗料には、なんと紫外線の影響を受けない性質があります。
変色しにくく、汚れにくく、長持ちする美しいツヤ。
ただ、塗料としてはかなり固く、その課題を解決するものとして、無機有機のハイブリッド塗料が開発されました。
塗装用塗料としては最高グレードになり、価格はだいたいシリコン塗料の2倍はするでしょう。
しかし耐用年数もシリコン塗料の2倍なので、その点をどう考えるかですね。
外壁塗装の費用の出し方
外壁塗装の費用は、外壁の状態によって金額が変わってきます。
外壁に藻が発生している、排ガスなどでかなり汚れが目立つ、ひび割れがかなりあるなどの場合は、まずは大掛かりな洗浄や修復など、付帯工事が必要になります。
つまり、建物の規模が同じなら、築10年の家と、築30年以上なにも手入れをしていなかった家との塗装工事費用をくらべると、圧倒的に後者のほうが高くなってしまうというわけですね。
塗料の耐用年数については既に述べましたが、状況によってはメーカーが提示する耐用年数より早めにダメージが出てしまうこともあります。
たとえば日当たりが良すぎたり、山々から吹き降ろす空っ風に年中さらされる立地であったり、海沿いなら塩害などの条件では、住宅を長持ちさせるため、より短いスパンでの塗り替えが必要になるでしょう。
塗装は建材を守るためのバリア。
ダメージが目に付くようになったら、塗り替えのタイミングです。
- 外壁と屋根は同じタイミングで塗り替える
住宅の形状によっては、屋根はあまり意識して見ないかもしれません。
が、外壁を塗り替えるなら、一緒に屋根もお願いするのがおすすめです。
屋根は外壁と同じく外気にさらされているので、傷み具合も同じと考えてよいでしょう。
なによりも、外壁塗装工事では足場を組む必要があり、これもそれなりに費用がかかります。
「今年は外壁だけやって、屋根はまた数年後でいいかな」とした場合、足場をそのたびに組むことになるので、その分費用がかかってしまいますよね。
外壁をやるなら屋根も同時に行うほうが、足場代が1回で済むのでお得、というわけですね。
まとめ
外壁や屋根を塗装すると、塗膜がバリアとなって雨水や紫外線から建材を守ってくれます。
水泡やヒビ、はがれが目立ってきたら、塗り替えのタイミング。
塗料には様々あり、一般的に耐用年数の長さに比例して金額が上がると考えてよいでしょう。
よりコストを抑えるなら、外壁を塗り替えるタイミングで屋根もやっておくのがおすすめです。